GOLDEN WOLF〜ヤン暴君と最強honey〜

   *   *   *

姫輝のバイクは、意外にも改造されていなかった。



耳障りではないエンジン音。



エンジンをかけたままの煌月は、黒のヘルメットを持ったままボーっと突っ立っている私が後ろに乗るのを待っている。



……あのね?



煌月……。



私にヘルメットを渡されても困るんだよね……。



うん、今さらだけどね?



バイクに乗るの……トラウマなんだよね!!



ほんと、黒のオートバイを目の前にして、せっかく忘れかけていた忌々しい記憶が甦ってくるとは……。



嫌……。



絶対に乗りたくない!!



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