GOLDEN WOLF〜ヤン暴君と最強honey〜
……はぁー。
もう二度と、あんな経験をしたくない。
三途の川を渡るなんてごめんだ。
だから、プライドをほんの少しだけ捨ててしまったんだろうね。
「煌月様……。どうか安全運転でお願いします」
“以前、海老のように体を反り、後頭部を地面に打ちそうになるという恐怖体験をしてしまったので……”
と理由までは言わなかったが、人生初の不良に頼み事をしてしまった。
あまりの恥ずかしさに赤面しながら俯くと、煌月は弾けたように笑った。
……私には理解出来ない。
何故、煌月のような人が族に入ったのか……。