GOLDEN WOLF〜ヤン暴君と最強honey〜
よし!!
次の角を右に曲がり、後は真っ直ぐ約100mくらいの道のりを全力疾走するのみだ!!
……だが、所詮私は女。
角を曲がると、その先にはウサギさんがいた。
「女の割には、体力あるし足が速いね。お陰で、先回りするハメになったよ」
ウサギさんはそう言って、私の腕をガッシリ掴む。
……コイツ、全く息切れしていない……だと?
「テメー、一体誰だ。面、見せ――…」
「その鋭い目つきと、そのドスの効いた低いその声。そして、荒い言葉遣い」
「……は?」
「昨日もそうだったけど、普通の女子高校生ならそんなことは出来ない」
「ちょっ、意味が――…」
「君ってさ、不良が大嫌いみたいだけど、実はというと以前に不良と関わったことがあるでしょ。ま・り・ちゃ・ん?」
私は、ウサギさんの思いがけない発言に息を呑んだ。