GOLDEN WOLF〜ヤン暴君と最強honey〜
んじゃ、もし私がそこの予備校にいなかったら、姫輝は間違いなく不審者として、警察に連行されていただろうなー……。
ウサギさんの着ぐるみを着たまま。
出来れば、その連行される所を温かい目で見守りたかった。
だが、姫輝に見つかってしまった時点で運の尽き。
仕方……ないか。
私は深い吐息を吐き、静かに言った。
「……安全ルート……」
「ん?」
「北区の路地裏の安全ルートって有名なの?」
「……何で?」
「だって、姫輝に先回りされた。てか、何で姫輝が東区にすぐ出れるルートを知っているの?この安全ルートは、北区の人は知らない筈――…」
「なら逆に聞くけど、東区の“族”しか知らないこのルートを何故茉麗ちゃんが知っているのかな?」
「……は?」
私は眉をひそめた。