GOLDEN WOLF〜ヤン暴君と最強honey〜
「……昨日」
「ん?」
「煌月に教えてもらった」
「……煌月が?」
「うん。毎日、路地裏を通って帰っている私を心配して教えてくれたの。『北区の人たちは知らないし、東区にすぐ出れるから、一番安全ルートだ』って」
「……」
「東区の族しか知らないとは聞いていなかったから、姫輝の話を聞いて少し驚いた」
「……そうか。だから、知っていたのか」
「うん」
「俺も茉麗ちゃんを追い掛けている時、度肝を抜いたよ。何故、このルートを知っているんだって。いやー、疑問が解決してスッキリしたよ」
姫輝は目を細め、口角を上げる。
私はその様子を見て、ホッと安堵した。