GOLDEN WOLF〜ヤン暴君と最強honey〜
こんなに話が上手く進むとは……。
まさか、この嘘でピンチを逃れられるとは、正直思ってもいなかった。
そういえば、私の友達が言っていた。
“茉麗の嘘話は、一切疑うことなく信じてしまう。だから、どの話が本当で、どの話が嘘なのか、分からなくなる”と……。
そのくらい、私は嘘をつくのが上手いらしい。
もしかして、私。
女優になれるかもしれない。
まぁー、なる気なんてこれっぽっちもないけどね!!
「ねぇ、姫輝。もう一つ聞いても良いかな?」
「何?」
「姫輝の知り合いの情報屋から、私がどういう人か聞いた?」
「……」
姫輝は無言のまま、私から目を逸らす。