GOLDEN WOLF〜ヤン暴君と最強honey〜
潮の匂い。
海中に浮遊し、青白い燐光を放つ夜光虫は、とても綺麗で御座いまして……。
けど、全く感動出来ない。
地響きにラッパ音、歓声……。
興奮してんじゃねーよ。
エンジン止めろっつうの!!
私は、バイクに跨っている不良共を軽く睨んだ。
今回はダーツバーではなく、もう一つの『迅麓』の溜まり場である倉庫前に私はいる。
そして、姫輝の話では煌月は健全らしい。
どうやら、煌月は昨夜怪我をしていなかったみたいで……そう、無傷。
額から流れていた血と、手にべっとり付いていた血は、空腹で倒れる寸前まで喧嘩をしていた相手の血……だったらしい。