RealLove~心の傷から生まれた愛~
「分かるよ。」
俺は沈黙の後しばらくして口を開いた。
でも、すぐに榎南の怒声が響く。
『分かる訳無いでしょ!!』
その瞳は憎しみに満ちているようだった。
それでも。
俺は…
「分かるよ」
…一人の辛さは俺にだって分かる。
榎南がどんな人生を送ってきたのか今はまだ分からない。
そんなの同情だ。って思うだろう…
それでも、助けたいから言うんだ。
分かってやりたいのにこんな言葉しか言えない…
知ったかぶりされるのは俺も嫌だ。