RealLove~心の傷から生まれた愛~
「食べたら?」
先に料理に手をつけている翔が不思議そうにこちらを見ている。
そんな翔に納得いかないけれど…。
『いただきます…』
「どーぞ」
私は味噌汁に口をつける。
普段、家で食事を取らない私にとって手料理は懐かしい感じがした。
『美味し…』
あ…口が滑って思わず本音が出てしまった。
マズイと思って急いで翔を見ると…
たったそれだけの事なのに、翔は嬉しそうに「良かった」と私を見つめた。
この後、少し翔と話して食べ終わる頃には、もう怒りは何処かに消えている自分がいた。