RealLove~心の傷から生まれた愛~
何も言わない私にまた彼は口を開く。
「アドレス教えて?」
『え…』
何で初対面の人に教えなきゃいけないんだ。
「俺さ。前に榎南と廊下ですれ違った時に一目惚れしちゃったんだよね…」
ん?
『誰に?』
「榎南に」
『…………』
何でも無いように言うけどサラッとあり得ない事を言ったよね。
「もっと榎南と話してみたいんだ。ごめん…別にナンパとかじゃ無いんだ…」
彼は眉を下げて下を向いた。
悪い人じゃ無いのかな。
別に見た目も格好も悪そうに見えないけど…
『別にいいけど』