RealLove~心の傷から生まれた愛~
動揺を隠しながら結局私は、私にとっての偽の家まで案内する事にした。
『じゃあ、ここで大丈夫だよ』
翔の家から少し離れた所で私達は別れようとした。
「それじゃ、また明日学校でな」
そう口にすると同時に、私の頭をクシャと撫でたその時…
「榎南…?」
その声の先には、驚いた顔で私達を見つめている。
『あ…』
翔にこの状況を見られるなんて…
私は急いで帝くんから離れて距離を取った。
「誰?」
怪訝そうな顔で帝くんは私を見るから…。
『えっと…そう!!知り合いなんだ!!』
なんとかそう取り繕ってみたけど、帝くんの表情は冴えないまま。
そのまま帝くんは私から翔に視線を移した。
「はじめまして、今日はこいつがお世話になりました」