RealLove~心の傷から生まれた愛~
「気をつけてね!!」
私達は別々に別れて家に帰る。
「榎南おかえり」
玄関を開けて中に入ると翔が迎えてくれる。
『うん』
私はそのままリビングへ向かう。
「今日どうだった?」
『これ、もらった』
自分のバックから似顔絵が書かれた紙を取り出して翔に渡す。
「可愛い絵だな」
ふっ。と口角を上げて笑う。
帰り道、帝くんから言われた言葉がふいに浮かんでくる。
“「いっそ幼稚園の先生になれば?」”
なりたい気持ちは今日体験して思ったけど...
『ねぇ...翔。夢叶えるのに才能って必要だと思う?』
私はなんとなく何もない床を見つめる。