RealLove~心の傷から生まれた愛~
「頼りたいのは結局アイツなのかよ!!」
帝くんのあまりの声の大きさに思わず身体が震える。
『...っ』
そんな私に気付いた帝くんは顔を伏せてその場にしゃがみ込んだ。
「榎南ちゃんごめん...」
『私...』
帝くんは何も悪く無いのに...
私の目には勝手に涙が浮かんでくる。
帝くんは一度、ふっと息を吐くと立ち上がって私と向き合う。
「ごめんね。自分がどんなにわがまま言ってんの分かってんだけど...」
そう言って私の頭を撫でる。
『帝くん...ほんとにごめん...ごめんね』
嗚咽が混ざって上手く話せない。
「彼氏って立場はアイツに譲る。けど、好きでいるだけ...好きで居させて...」