RealLove~心の傷から生まれた愛~
「分かるよ」
翔のその言葉にだんだんと苛立ちが湧き始める。
『うるさい!!私の気持ちなんて誰も分からないの!!』
抱き締められているその手を離して欲しくて自分の腕を引く。
でも…
グッ…!!
私の引く腕とは逆に翔は更に抱き締めるその手に力をいれる。
『やだ!!』
どんなに力を入れてもピクリとも動かない翔の腕。
「大丈夫。」
『離せ!!……っ!!』
翔のその言葉が心の中で疼く。
離して欲しくてこれ以上翔の側にいたら何故か…
心を奪われそうな、そんな気がした。