さみしくなんかないよ?
夏川君は
大量の花火をもってきた。

手で持つタイプから
どどーんと空にあげるタイプまで
たくさんある。

「ちょっと遠くに
 いこうか。」

夏川くんが自転車に腰を
おろしたとき、エリカが

「のせてー」


夏川君の後ろに乗る

「いいよ~!」


夏川君は自転車をこいだ。

「乗る?」

市原君が
後ろから聞いてきた。

「ぇ? ぁ うん!」

あたしは
ちょこんと後ろに乗った。

「いくよー」

あぁ 初めて二人乗りを
してみた。


風が耳にすぅっと
あたってくる。

あたりは
すっかり暗くなった。

お母さんには
友達のおうちで
花火やるといってるので
暗くなってもきにしない

「ここだよー」

とキキーと
夏川君が自転車を
とめた。

そこから階段を上ると
すばらしかった。

小さな公園から
たくさんの星がみえる。

月も美しく輝いている。

「わぁ~ 夏クン スゴ~イ」


エリカが興奮しているようだ。

あたりには家が全然なくて
田がたくさんある
小さな田舎だった。

「ここなら打ち上げだって
 できるんだ!」

と夏川君が花火の袋を
ごそごそ している。




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