手紙でXXXして。
足音がよく響く廊下を歩きながら、考えごとをしているとお姉さんがあたしに声をかけてきた。
さっきの視線もあってか正直あまり話したくはなかったけど、強い目がそれを許さなかった。
「はぁ少しくらいなら」
足早に病院の廊下を彼女と連れ立って歩くと、あちこちから好奇心の塊のような視線を感じた。
あたしの半歩前を行く彼女の顔をちらりと見ると、実と似た切れ長の瞳に、整った造作、儚げな美貌がそこにあった。
注目されても仕方ないなぁ。あたしはきづかれないようにふぅと息を長く吐く。
来る時にはそんなに長いと感じなかった廊下が、帰りは少しが長く暗く感じる。
夕日が沈んだことを理由にするのは少し弱いかな。
ふとあたしを呼び止める声が聞こえた。
「チハルちゃん?」