手紙でXXXして。
7月18日
7月17日にあたしは倒れた。
7月18日はあたしが目覚めて、
そして、
あたしが【あたし】がなった理由を知った日。
「ちょっと空気悪いね、窓あけようか」
木村先生はそういうと、
病室の小さな窓を開けた。
夏の熱をはらんだ風が
窓から吹き込んでくる。
ここの部屋は、病院の外側の棟のようだ。
ひかりさんといた
中庭はここから見えない。
中庭の緑が閉じた世界なら
ここの窓から見える世界は開けた世界だ。
この町のさまざまな風景が見える。
病院近くの駅。
駅近くの繁華街。
少し先の学校。
あたしが馴染みたい
日常の世界。