手紙でXXXして。
「仮眠室の冷蔵庫の底にあったからあっためてみた」
いや、そういう問題じゃないと思うんですけど・・。
真夏にタイヤキを頬張りながら、白衣をはためかせる木村先生は医者つうより科学者ぽかった。
変人の。
せっかくの黙ってればなかなかの知的男前なのに。
でも、なんだかシリアス気分で泣いてるあたしの方が、木村先生より滑稽な感じがして気がつくと涙はとまっていた。
「まあ、泣き止んだところでこれ、あげるよ」
木村先生はふところから一冊の本を取り出した。
赤いその本の表紙にはかわいい猫がかかれている。