手紙でXXXして。
あたしは恐る恐る、実の頬を指先で触れた。
「みのる…」
「それは立派な才能だよ、ふゆかさん。
僕は走ることを愛せなかった」
だからあの日、
罰を受けたんだ。
そう告げると、
実は優しくあたしの
頬にキスをした。
「泣き虫だなぁ、ふゆかさんは」
「泣いてなんか…」
そういつつも
雨ではない水滴が
あたしの頬をつたう。
「でも
事故のあと
あたし、
幸せに描けないの」
「うん」
「なんにもできなくなっちゃって」
「うん」
「うまく描けなくて」
「うん」
「絵を描くのがこわいの…」