手紙でXXXして。

6月29日

まっくろな傘と共に
「彼女」はやってきた。


今日はそらからたくさんの雨がふっている。

雨は好きだ。


だってあたしのかわりに泣いてくれるから。



出勤の時間まで寝ようと、
いつものごとく眠りをむさぼっていると、
あたしの家の玄関からドアを叩く音が聞こえてきた。


トントンと

少し遠慮がちに、でも確かに存在するその音にあたしは目覚めた。



「…眠い」


布団に包まったまま、あたしはよろよろとした足取りで、ドアに向かった。


「…はぃはい。新聞ならいらないですよ。

あたし日本語読めないの…で……どちらさま?」

そこには雨の中、黒い傘を携えた女性が立っていた。


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