手紙でXXXして。
小さなあくびをした瞬間、左の口の端が痛んだ。

おそるおそる鏡を覗くと、口端から赤い点がぽつぽつと出来ている。


「やだ、また口が切れちゃった」

あたしはあわてて医者にもらった薬を塗った。


しばらくして治ったと思っても、疲れがたまるとすぐに傷が開く。そんな状態が一ヶ月続いていた。

医者は無責任に「ストレスをためないこと」とかいうけど、そもそもストレスがたまんなきゃこんな怪我しない。

あたしは医者にぶつぶつと悪態をつきながらシャワーを浴びた。


浴室からでると手早く体を拭きながら、服を着る。


何かを忘れてるような気がして、あたしは濡れた髪をタオルで拭きながら、部屋を見渡し、枕元の青い封筒に気づいた。
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