手紙でXXXして。
彼女は肩から下げていた、小さなバックから、折りたたみの傘を取り出した。




青い空の下にくろい傘。



あたしはその色のコントラストに、目をしばたかせて、慌てて彼女の後を追った。



彼女はくろい「日傘」をさして、足早に小さな町を歩き出す。


時がとまったように、ゆっくりと流れる町の中。

勢いよく走るように歩く彼女は、なんだか逆流していく鮭みたいだなとあたしは思った。

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