手紙でXXXして。


目の前に大きな木を屋根にしたような、赤い屋根の小さな平屋の家があらわれた。


家のまわりは青々とした緑と明るいあでやかな花で埋めつくされ、小さな植物園のようだった。

自然にあふれた美しい家なのに、あたしは少し、異変を感じていた。






「ねぇ、この家の庭、なんで虫がいないの?」


あたしは黒い日傘を閉じた彼女にそう、尋ねた。



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