君に落ちた奇跡
ゆき
窓の外を見ると白いゴミが待っている。

「嬉しい!今年はWhite X'masだぁ!」

ウザイ…

たかが雪ごときで騒ぐ女子の気持ちが理解出来ない。

「朝夜【アサヤ】、女のコにがんとばしちゃダメだって!
てか、何苛々してるの?」

俺の目の前で友人の
谷 平男【タニ ヒラオ】が手を振る。

「…別に苛々してねぇよ。ただ…雪のどこが良いんだかわかんねーんだよ」

「うーん…ムードの問題とかぁ? 女の考えはわかんねーよ…
で、今日どうする?」

谷は両手を握り前後に動かす。

「どうするもこうするも雪ぢゃバイクとばせねーだろ?ばーか」

教科書を丸めて頭を叩いてやる。

「コレ以上馬鹿になったらどーすんの!」

「コレ以上はなりようが無いだろう?…零点なら」

谷は力無く俯っした。

「仕方ないから付き合ってやるよ…憂さ晴らしにでようぜ」
< 1 / 26 >

この作品をシェア

pagetop