君に落ちた奇跡
「…喧嘩がしたかったって言ってもキリがなさ過ぎだな…
谷、そろそろ切り上げるぞ」

相手を倒しつつ谷に近づいて行く。

「了解!
…ぢゃ、いつも通りオレがおとりになるから、ひかるは朝夜がよろしくね!」

谷が彼女の手を俺に無理矢理握らせる。

「いや、今回は…」

「オレは迷子になるからいつも以上にダメだって!
だから、よろしく」

谷が笑って走り出す。

そうなれば、もう行動しなければ意味がない。

「おい、ぼーっとするなよ。俺が良いと言うまで走り続けろ」

彼女の腕を引いて走り出す。

出来るだけ人混みを…

出来るだけ曲がりくねった道を…

出来るだけ入り組んだ道を…

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