君に落ちた奇跡
飲み終わった所で、俺達は歩きだした。
「…ほら」
俺は彼女に手を差し出す。
「?」
理解出来ないのか、首を傾げられる。
「お前、はぐれるだろう?手、握ってろ…」
歩調を合わせるのは得意じゃないから…
手を繋げばなんとか歩調を合わせられる。
「…私、手が冷たい…」
「迷子になられたら谷に何されるかわからない。…早くしろ」
彼女は、恐る恐る俺の手を握った。
「おっきいいですね」
照れたような彼女の言葉に不覚にも笑ってしまった。
男相手に手が大きいって…
「当たり前だろ?
お前より手が小さいわけがあるか?」
身長差だってあるというのに…
「…笹口さん、さっきから私のコト馬鹿にしすぎですよぉ」
むすっとした彼女は、小さな子供みたいに頬を膨らませる。
「馬鹿にしてるんじゃない…」
彼女は明るく期待の顔をむける。
「馬鹿だと思ってる。現に、どこの16歳が頬膨らませて怒るんだよ…」
彼女はいっきに明るさを失った。
「…笹口さんは意地悪です……谷さんの方が…」
「あぁ、アイツは優しいな…俺は優しくなんか出来ないな」
仕方も知らない…
「意地悪だけど…優しくないわけではないですよ…」
俺の手を握る彼女の手が強くなる。
「優しくない人は私の手を握るなんてしません」
暢気でゆったりとした彼女とは別人のような強さに驚いた。
「…ほら」
俺は彼女に手を差し出す。
「?」
理解出来ないのか、首を傾げられる。
「お前、はぐれるだろう?手、握ってろ…」
歩調を合わせるのは得意じゃないから…
手を繋げばなんとか歩調を合わせられる。
「…私、手が冷たい…」
「迷子になられたら谷に何されるかわからない。…早くしろ」
彼女は、恐る恐る俺の手を握った。
「おっきいいですね」
照れたような彼女の言葉に不覚にも笑ってしまった。
男相手に手が大きいって…
「当たり前だろ?
お前より手が小さいわけがあるか?」
身長差だってあるというのに…
「…笹口さん、さっきから私のコト馬鹿にしすぎですよぉ」
むすっとした彼女は、小さな子供みたいに頬を膨らませる。
「馬鹿にしてるんじゃない…」
彼女は明るく期待の顔をむける。
「馬鹿だと思ってる。現に、どこの16歳が頬膨らませて怒るんだよ…」
彼女はいっきに明るさを失った。
「…笹口さんは意地悪です……谷さんの方が…」
「あぁ、アイツは優しいな…俺は優しくなんか出来ないな」
仕方も知らない…
「意地悪だけど…優しくないわけではないですよ…」
俺の手を握る彼女の手が強くなる。
「優しくない人は私の手を握るなんてしません」
暢気でゆったりとした彼女とは別人のような強さに驚いた。