君に落ちた奇跡
「あーさーやー!」

谷のいるだろう交番の近くまでいけば、大声で叫ぶ恥ずかしい奴がみえた。

他人のふりをしようかと思うくらいの大声。

「お前は恥を知らないのか?」

「朝夜がわからないかなって思ってさ」

俺の肩に腕を回して笑う谷に、俺はホッとする。

「公園にいこっ」

そう歩き出した谷に、俺は声をかける。

「谷…」

「ん?」

「…公園は逆だ…」

「そーゆーコトは早く言って!オレ凄くカッコ悪いぢゃんか!」

ムスッとする谷と肩を組んでやる。

「誰も見てねーよ」
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