君に落ちた奇跡
それから、俺達はジャングルジムからはなれたベンチに座って話しはじめた。

「で、どっちから話す?」

どう話し始めればいいのかわからなくて聞いてみる。

「えーと…」

おどおどとし始めた彼女を見て、クスリと笑う。

「俺は、人と付き合うのが上手くない…だから、関わるのを避けるようになっていたんだ…」

あまり重くならないように軽く話しはじめる。

「でも…お前は気になって、心配で…手の届く場所にいないと胸が苦しくなってくる…」

隣を見れば、涙ぐんだ瞳で俺を見つめてくれている…

「俺はお前に捕まったらしい……


好きだ…ひかる……」


素直になれば簡単に出る言葉。

告げられた相手はもう見れないくらい泣いている。

「初めて…名前……」

「俺はあまり人を名前で呼ばないから変なかんじだ…」

照れ隠しに苦笑する。

「凄くうれしいです……私も……朝夜さんが……



好き……」

彼女のか細い声に不覚にも涙が溢れてきた…。
「カッコ悪い…」

「カッコなんて関係ありませんよ…」




そのまま笑いあって…



見つめ合って…



影が重なる…
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