君に落ちた奇跡
であう
「ねぇ~このゲームで買ったら冬休みの宿題うつさせて?」

ゲームセンターで対戦ゲームを始める直前に谷が提案してくる。

「…勝てたらな…」

「その余裕っぷりがムカツク!」

きぃーってなる谷をほって置き、スタートしてやる。

結果は…

「朝ちゃん…ズルしたでしょ?したよね!」

泣き付く谷をUFOキャッチャーで取ったぬいぐるみで殴る。

「どんなズルだ…
お前ほんと最近キャラウザイぞ?どうしたんだよ」

「…フラれた…」

「は?」

「フラれたんだよ!
なんか、年下の可愛い男がいーんだってさっ」

ずーんと沈んでしまった谷の頭をぬいぐるみで撫でてやる。

「女なんて星の数だけいるらしいぞ」

「星の数だけいても可愛いくて、オレのこと好きになってくれなきゃ意味ないし…」

ムーっと口を尖らせたる。

「…我が儘な奴だな」

「朝夜みたいに顔よし、成績よし、運動神経よしの奴にはわかんないよ」

「けど酒好き、喧嘩好き、煙草好きだぞ?」

笑ってやると谷は手を打つ。

「確かに…でも、皆知らないからな……あっ!」

「どうしたんだよ」

いきなり大声を出した谷の指さす方をみると1人の少女が多くの男に囲まれていた。
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