君に落ちた奇跡
「オレたち幼なじみだし~で、ひかるちゃん。会場名はわかる?」

「え~と…なんとかホール?スタジアム?会館?」

信じられない…

自分のライブコンサートだろ?

会場知らないって……

本物の馬鹿だ。

「場所のわからない人間をどうやって案内する気なんだ?」

呆れて谷に耳打ちする。
「え~と…ぢゃぁ、マネージャーさんとかの連絡先とかは知らないの?」

優しい口調で尋ねる谷に彼女は首を傾ける。

「だから、ケータイの番号とか知らないのかってきいてるんだよ」

苛々してくる。

話が進まないのは本当に苛々して腹が立つ。

「…知りませんょ…知っていたらすぐに連絡してますよ?」

本当にゆったりした口調が苛々を更に悪化させる。

「なので、よろしくお願いしますね」

ムカつくくらいの自分勝手な…

自分のペースのみの彼女。

「大丈夫だよ!」

そして捕まる男も馬鹿ばかり…

「朝夜がいるから!」

コイツらにつかわれる俺も馬鹿なんだろうな…
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