あなたがすべて。
「じゃぁ、またね。」


そう言って男子は
自分が
最初にいたグループのところに
戻っていった。


「亜里沙もちゃんと断われよな」


さっきの男子を見ていると
博夜が
私の頭にポンっと
手を置いてきた。


『ごめんね、ありがとう』


博夜の顔を窺うと
こっちを見て
にっこりと笑っていた。


さっきの
冷たい目が嘘のように
いつもの温かい目に変っていた。

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