エンジェルティアーズ
女は頬を膨らませ、両膝に手を当てている。


「そうでもしなきゃ、お前さんは口で言っても立たないだろ。 そのまましばらくしたらなおるよ。」


「あんた。変な人。」


「お前さんより、まともだと思うけど。」


「ぷっ。そうだね。」



女は笑った。まだ幼なさが残る笑顔だった。



「20分歩ける?」


「は?歩けない。」


修は溜息をついた。

女にしゃがんで背を向けた。


「何やってんの?」


「しょうがないから、おんぶしてやる。持てるかわからないけど。重そうだし。」


「なんでそんな事まで言う、失礼な奴におんぶされなきゃいけないのよ。
ほっといて」


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