放課後ノンシュガー
木曜日*1
ずりずりと、引き摺ってきた台に慎重に乗って、抱えた本を棚に戻す。
木曜日。
委員会の当番。
もうひとりの子が用事だと言って帰ってしまい、もともとテスト前くらいしか賑わうことのない図書室に、完全にひとりきり。
司書の先生さえお休みだし、さっさと仕事を終えて帰ろう、と、棚に戻すべき本の山にため息。
しばらく終わりそうにない。
「……ピンク」
ふいに、小さく声がして、何事かと身を凍らせた。
よく目を凝らせば、床で文庫本片手に寝転んだ男子学生の姿。
視力あまりよくないし、気づかなかった。
っていうか……!
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