放課後ノンシュガー
「俺のこと、好きって。言って?」
少し首を傾げて、あやすような口調で。
優しく落とされた言葉は麻薬。
抗えない。
「好き──」
確かに意味を持って発してしまった言葉は、二度目の口づけに封じられて。
本当に嬉しそうに微笑まれれば、同じように嬉しくなってきてしまうから、私も随分彼に毒されている。
同時に襲われる、どうしようもない恥ずかしさ。
しかも……、もっと欲しい、なんて、思った……。
「ん?」
身動いだ私を不思議そうに、じっと見つめて柔らかく訊く声に、ふいにどうしようもなくむず痒くなって。
「……っ」
逃亡をはかるけれど、はしっと掴まれた手首がそれを叶えてくれない。