放課後ノンシュガー

「帰るっ」


何てゆーか、もう、キャパシティオーバー。

こんな変態なストーカーなんて、相手してられるか。

カバンだけ掴んで逃亡をはかる。


……帰ってから、委員会の仕事を放り出してきたことに気づいて、翌朝図書室に寄ったけれど。

散らばしたままの本はきちんと戻されていて、脳裏を過った昨日のあいつの姿を慌てて打ち消した。


──お礼、言った方がいいかな。


そう思いかけて、はっと気づく。

私、あいつの名前も学年もクラスも、何ひとつ知らない。


だけどいつも木曜日。

見てたって言ってた。


次また木曜日、会えるだろうか。

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