夢幻の都
3
――キースか
ランダーは娘が出て行った後、暖炉の前にしゃがんで薪を足した。
「ソニア、着ている物を脱げ」
ランダーが言うと、ソニアはピタッと動きを止めて目を見開いた。
「いきなり?」
「干すんだよ」
ランダーはうんざりしたように言った。
「霧で湿っているだろう?」
「ああ、そう……なんだ」
ソニアは服を脱いでランダーの横に置いた。
ソニアが手首につけている無数の黄金の輪がシャランと優しい音をたてる。
「毛布にくるまっていろ」
ランダーは振り返らずに言った。
「カタブツ」
ソニアはランダーの背中に向かって舌を出した。