ONESTAR
ねーちゃんも、俺のお袋も努力はしたみたいだったけど、結局にわか仕立ての家族は、一度も心からの団欒を迎えることなく、ねーちゃんが高校卒業と同時に家を出る、と言う形で破局を迎えた。

でもって俺は、いきなり東京に連れてこられ、転校させられた学校でいじめにあった。

それまで気にもせずにしゃべっていた「大阪弁」が変だと笑われたのがきっかけだった。

それから俺は、何もしゃべれなくなり、そのうち「暗い」といじめの標的になった。

いじめは日ごとにエスカレートして行き、お袋が気づいた時には、服を着たら見えない場所だけに、青痣が浮かぶほど殴られたり蹴られたりしていた。
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