ONESTAR
俺の腕から抜けようとするねーちゃんを抱きしめた。

腕の中で暴れるねーちゃんの首筋が白く浮き立って見える。

頼りなげな細い首。

精一杯突っ張っても、ねーちゃんはこんなに脆くて弱い女の子なのに。

どうして誰も気づいてやれないんだろう。

どうして俺は、守ってもやれないんだろう。

ねーちゃんは、俺の手を掴み、有無を言わさず力いっぱい振りほどいた。

「ねーちゃん!!」
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