ONESTAR
店長とナツキとあのおっさんだ!

顔を上げる気力もない俺は、耳を澄ませてみたけど、3人の声は、エンジンの音に掻き消されてしまう。

ナツキが表通りでタクシーをつかまえて来たらしい。

どーか俺に気づきませんように。

「じゃーな、ナツキ。これからリストランテアップルが潰れるまで俺の夕飯はタダってことでヨロシク!」

「あ、いいですよ。遠慮せずに毎日来てください。」

「ダメ!絶対ダメ!スズキさん出入り禁止!」

「なんだとー、俺がいなけりゃなあ、」

「あーもう、タクシー待ってますって!」
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