ONESTAR
バタン!

と勢いよく車のドアが閉まる音がして、エンジン音が遠ざかる。

ようやく顔を上げることが出来た俺の目に、

走り去るタクシーに向かって手を振るナツキと、頭を下げる店長が見えた。

それから二人は店に向かい、仲良さそうに歩き始める。

だけどそれは、何の変哲もない、常連客を見送る店長とウェイター、そんな感じで、

店の前ではタクシーをつかまえられないから、

表通りまでおっさんを送って行ったみたいだった。
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