ONESTAR
ナツキが、黒板を立てかけてあったイーゼルを畳むため、前屈みになった瞬間、

階段を降りかけてた店長が振り向き、

まるで示し合わせてでもいたように、

二人は、

顔を寄せ、

お互いの唇を合わせた。



その瞬間まで。



その瞬間まで俺は、半信半疑だった。

確かに、世の中にはそーゆー人達がいることは知っていたけど、

目の前で見るまでは、ねーちゃんの勘違いなんじゃないかと心のどこかで思ってた。
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