ONESTAR
「わざわざありがとう。今日はトモミちゃんは?」

コーヒーを俺の席に置きながら店長が聞いた。

「あ、バイト忙しいらしくって。ヨロシク言っといてくれって頼まれたんです。」

完璧にウソだったが、店長はもう一度礼を言うと、すでにショートケーキの苺を口にしてたナツキを横目で見て、

(ふーん。苺から食べるタイプなんだ。)

ため息をついてからケーキを食べ始めた。

箱の中には、まだミルフィーユとブルーベリーのパイが残っているのだけれど、

ナツキのチョイスに文句はないらしい。
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