ONESTAR
「なんかそれが魔法みたいにおいしくて、すげー幸せな気持ちになったんです。だから、俺、将来こんな風に人を幸せな気持ちに出来る料理人になりたいなあって思って。」

ちっちゃいちっちゃいエピソードをこれでもかってくらい脚色して披露した。

店長と目を合わさないように、もう一度頭を下げる。

「お願いします。向いてないと思ったら諦めます。お手伝いさせてください!!」

2秒待ってみた。

なんか言ってくれ。

俺に残された選択肢は、あと土下座しかないんだぞ。

「わかったよ。」

頭の上に、そんな言葉が乗っかった。
< 199 / 474 >

この作品をシェア

pagetop