ONESTAR
ピキ。

心の中で叫んだら握り締めてたシャーペンの芯が折れた。

「どうしたの?どっかわかんないとこある?」

「あ、いえ、出来ました!」

俺が元気良く差し出した問題集をチェックしながら、

店長はこんこんと小さく咳き込んだ。

なんか今日は、店長が風邪引いて体調が悪いとかで

早めに店を閉めるから、と仕込みも早く終わった。

季節の変わり目に弱いんだと笑いながら店長は、

時間まで数学を教えてくれた。
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