ONESTAR
今だって、笑い合うクラスメイトが何を考えているのかフと恐くなる瞬間がある。

それでも俺は、後戻りしないために、

くだらねーと思いながらやり過ごす。

冷たい瞳だと言うその瞳の奥で、俺はまだ脅えていると言うのに。

握り締めてたねーちゃんの服の感触を思い出すことで、

辛うじてそこに留まってるだけだと言うのに。

「店長さん、コーヒーお代わりしてもいいですか?」

甘えた声でそう言ってみる。

長すぎる沈黙に耐えかねて、店長が何を言い出してもムカつくだけだと思ったから。

「あ、うん。」

「ありがとうございます。」
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