ONESTAR
俺がおやすみを言う前に、ねーちゃんが電話を切り、耳に残ったアルトの余韻がツーツーと言う機械音に掻き消されてしまいそうになってあわてて俺も電話を切った。

明日の6時は……確かスタジオを予約してたはずだ。

その後、リホコとデートの約束があったような気がする。

だけど、それが何だって言うんだろう。



ねーちゃんが俺を呼んでる。



それだけで俺は、月まで行けるほど嬉しかった。



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