ONESTAR
「あたし、ずっとヨシアキとあの人とお父さんを憎む事で必死になって自分を保ってた。誰かを憎んででもいなければ、恐くて……恐くて生きて行けなかったから……。」

「……ねーちゃ……」

「家を飛び出して、毎日必死になって働いて、味方なんて誰もいなくて、お友達が大学に行って、ブランドのバックとか持って歩いてるのを横目で見ながら一生懸命働いてお金貯めて一人で生きて行こうとしてた。
誰にも頼らずに一人で生きて行きたかった……。
その為に、負けない為に、誰かを憎んでいなければ、生きて行けなかったの……ごめんね、ヨシアキ……」

だんだんねーちゃんの声が涙声になってくる。

そんなこと、かまわないのに。
< 287 / 474 >

この作品をシェア

pagetop