ONESTAR
けろっと言ってのけるナツキのさっき見てしまった背中の傷を思い出す。

背中に刻まれた交差する2本の刃物傷。

偶然にしては出来すぎた十字架。あれは……じゃあ……。

「じゃ、子供の頃、どうしても叶えられなかった夢は?

今叶ったところでそん時叶えたかった夢とは違うかもしれないじゃん。」

「だってさー、タイムマシンとかないしさー、じゃー14年前に戻って虐待受けてる俺、

助けてやる事って出来ないじゃん。だからさ、今、頑張ればいいじゃん。俺は、俺を認めてくれる人がいたらそれでいい。」

「それってば店長の事?」

「言わせんなよ。それでなくても恥ずかしいのに。」
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