ONESTAR
……出来ない。出来ないよ、ねーちゃん。

何を犠牲にしてでも優しさを選んだ店長の、唯一求めるものが、ナツキだと言うなら、

その絆に入り込むなんて、誰にも無理だ。

そうして俺は、その絆を断ち切ろうとして、雁字搦めに絡め取られてる。

俺には切れないこの絆は、俺すらも包み込もうとしてしまう。

「…俺…………あんたと店長が別れてくんないかなってずっと思ってた……」

「ヨッちゃん?」

「だけど、無理だって、今わかった……」
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