ONESTAR
ナツキをさらってどっかに逃げなきゃ。ナツキを殺してどっかに埋めなきゃ。

だって、こいつが店長を救える唯一の光なら、いなくなってもらわなくっちゃ。

「ねーちゃんが店長のこと好きなの、知ってる?」

ナツキはためらいがちにだけど、うんと頷いた。

「俺ね、ねーちゃんの事が死ぬほど好きなんだよ。」

他人の前で想いを口にしたのは初めてだった。

「もしかあんたがいなくなったら店長がねーちゃんとつきあうなら、殺したって構わないくらいに。」

ナツキは、俺を見つめたまま動かない。

「何にもいらない。ねーちゃんがいればいい。ねーちゃんが幸せならそれでいいんだ。」
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